繊維質が分解されて旨味が増す肉

肉好きの間でブームとなっている熟成肉は、一定期間正しい方法で寝かせることによって、新鮮なものよりも旨味や食感を高めたものですが、ボリュームたっぷりのステーキファンに特に注目されているのが、熟成させたことによって得られる、独特の柔らかな食感です。規定の温度を保って熟成させることによって、新鮮な肉では固めの食感となるしっかりした肉の繊維が、酵素で分解されてほぐれて行き、調理後、柔らかくとろけるような食感を持つに至ります。アミノ酸も増加することで、持前の旨味と香りがさらに濃縮されます。アミノ酸が増加しているということは、栄養価もアップしているということで、まさに良いことずくめの熟成期間と言えます。
急速なブームとなると、単にしばらく放置しただけで古めとなったものまで熟成肉と名乗り出す危険も付き物ですが、真の熟成肉は、摂氏1度から4度ほど、湿度60パーセントから80パーセントに調節された庫内に保存され、通気性にも気を配るという、正しく完ぺきな状態で熟成を促されたものです。表面にはカビが生えるとも言われますが、当然その部分は出荷前に削られます。不思議なことに庫内にはカビ臭さや腐敗臭はまったく無く、ナッツの香りに似た香ばしいような匂いに満ち、生肉特有の臭いも消えていると言います。40日間もの熟成を経て、強固な繊維が分解によってほど良くほぐれ2割ほど柔らかさが増し、アミノ酸はなんと、5倍から6倍の量になっているとのことで、魅力的な食感を持った栄養たっぷりの肉に仕上がります。そういった、プロの手による確かな熟成を経ている肉の仕入れなら、やはりインターネット検索によって信頼できる卸業者の直販ショップを探して購入するのが、熟成過程の管理も含めて、安心確実でお得な買い物が実現します。
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一昔前、海外制作のテレビ時代劇で、戦国日本に漂着した英国人が日本の風習に驚くといった、日本人から見ればかなり荒唐無稽な描写が多いドラマがありました。その中で、主人公の英国人が鳥をすぐに料理せずに軒に吊るし腐る手前まで置いたため、臭気が立ったことで日本人らが困惑、大変なことになるといった展開がありましたが、まさに「熟成」と「腐敗」が紙一重であることの難しさを物語るものと言えます。名ばかりの熟成に出会わないためにも、直販ショップ選びは重要で、消費者サイドとしても安心安全に賞味するために、熟成の過程の解説など、専門用語が一通り判る程度の知識を身に付けておきたいものです。